泉質・成分・源泉地

榊原温泉

概要  枕草子第117段に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造りの湯」と歌われた「三名泉」のひとつ。
湧出地 三重県津市榊原町1353番地
源泉名 榊原温泉 2号泉
泉質  アルカリ性単純温泉
泉温  25.3度

新美里温泉

概要  平成16年に湧出された新しい温泉であるが、榊原温泉(榊原断層)と

隣接した土地で湧出したため榊原温泉と同等の泉質の温泉である。

湧出地 三重県津市美里町五百野1506番6
源泉名 新美里温泉長寿の湯
泉質  アルカリ性単純温泉
泉温  24.6℃(調査時における気温18.8℃)

1.申請者

住 所三重県津市河芸町影重1177番地
氏 名有限会社 新美里温泉  代表取締役 伊藤洋子

2.源泉名および湧出地

源泉名新美里温泉 長寿の湯
湧出地三重県津市美里町五百野字上之郷1506番6湧出、源泉にて採水

3.湧出地における調査および試験成績

(イ) 調査及び試験者(一財)三重県環境保全事業団 調査部 第二分析課
    瀬古 直樹
(ロ) 調査及び試験年月日平成30年 6月19日
(ハ) 泉 温26.0 ℃(調査時における気温26.2℃)
(ニ) 湧出量15 L/min.(動力揚湯 水中ポンプ式 2.2KW)
(ホ) 知覚的試験ほとんど無色澄明、無味無臭である。
(へ) pH値9.1
(ト) 電気伝導率62.2 mS/m
(チ) ラドン(Rn)32.0 Bq/kg (8.6×10⁻¹⁰ Ci/kg : 2.38 マッヘ単位)
(簡易型液体シンチレーションカウンタによる定量)

4.試験室における試験成績

(イ) 試験者(一財)三重県環境保全事業団 調査部 第二分析課
    古川 浩司
(ロ) 分析終了年月日平成30年 8月2日
(ハ) 知覚的試験ほとんど無色澄明で、無味無臭である。  (試料採取後24時間)
(ニ) 密度(20℃)1.0004 g/c㎥
(ホ) pH値9.0
(へ) 蒸発残留物0.49 g/Kg (130℃)

5.試料1kgy中の成分、分量および組成

(イ)陽イオン

成 分ミリグラム(mg)ミリバル(mval)ミリバル%(mval%)
ナトリウムイオン(Na⁺)1166.177.2298.23
カリウムイオン(K⁺)11.90.050.68
アンモニウムイオン(NH₄⁺)0.10.010.14
カルシウムイオン(Ca²+)1.50.070.95
陽イオン 計169.67.35100

(ロ)陰イオン

成 分ミリグラム(mg)ミリバル(mval)ミリバル%(mval%)
ふっ化物イオン(F⁻)20.11.4
塩化物イオン(Cl⁻)5.70.162.24
硫酸イオン(SO₄²⁻)38.70.8111.36
炭酸水素イオン(HCO₃⁻)316.15.1872.65
炭酸イオン (CO₃²⁻)26.40.8812.34
陰イオン 計388.97.13100.

(ハ)遊離成分

非解離成分

成 分ミリグラム(mg)ミリモル(mmol)
メタけい酸(H₂SiO₃)26.30.34
メタほう酸(HBO₂)6.20.14
非解離成分 計32.50.48
溶存物質(ガス性のものを除く)0.59 g/kg                    

溶存ガス成分

成 分ミリグラム(mg)ミリモル(mmol)
遊離二酸化炭素(CO₂)0.50.01
溶存ガズ成分 計0.50.01
成分総計0.59 g/kg   

(ニ)その他微量成分(mg/kg 定量下限値:0.001mg/kg )

成 分検出濃度成 分検出濃度
検出せず検出せず
総ヒ素検出せず亜鉛検出せず
総水銀検出せずカドミウム検出せず

6.泉質

アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性低温泉)


7.禁忌症、適応症等

温泉分析書別表(浴用)による。

新美里温泉2号泉

湧出地 三重県津市白山町中ノ村字宮石458
源泉名 新美里温泉長寿の湯2号泉
泉質  アルカリ性単純温泉
泉温  18.6℃

1.申請者

住 所三重県津市河芸町影重1177番地
氏 名有限会社 新美里温泉

2.源泉名および湧出地

源泉名新美里温泉長寿の湯2号泉
湧出地三重県津市白山町中ノ村宮石458湧出、源泉にて採水

3.湧出地における調査および試験成績

(イ) 調査及び試験者(一財)三重県環境保全事業団 調査部 第二分析課
    橋本 真
(ロ) 調査及び試験年月日平成29年 8月14日
(ハ) 泉 温18.6℃(調査時における気温30.5℃)
(ニ) 湧出量130 L/分min.(動力揚湯)
(ホ) 知覚的試験ほとんど無色澄明、無味で、微硫化水素臭を有する。
(へ) pH値9.4
(ト) 電気伝導率49.6 mS/m(25℃)
(チ) ラドン(Rn)11.8 Bq/kg (3.2×10⁻¹⁰ Ci/kg : 0.88 マッヘ単位)
(簡易型液体シンチレーションカウンタによる定量)

4 試験室における試験成績

(イ) 試験者(一財)三重県環境保全事業団 調査部 第二分析課
    古川 浩司
(ロ) 分析終了年月日平成29年 8月28日
(ハ) 知覚的試験ほとんど無色澄明で、無味無臭である。 (試料採取後24時間)
(ニ) 密度(20℃)1.0003 g/c㎥
(ホ) pH値9.3
(へ) 蒸発残留物0.40 g/Kg (130℃)

5.試料1kg中の成分、分量および組成

(イ)陽イオン

成 分ミリグラム(mg)ミリバル(mval)ミリバル%(mval%)
ナトリウムイオン(Na⁺)129.55.6398.25
カリウムイオン(K⁺)2.10.050.87
アンモニウムイオン(NH₄⁺)0.60.030.52
カルシウムイオン(Ca²+)0.40.020.35
陽イオン 計132.85.73100.

(ロ)陰イオン

成 分ミリグラム(mg)ミリバル(mval)ミリバル%(mval%)
ふイオン(F⁻)1.50.081.44
塩化物イオン(Cl⁻)11.40.325.76
硫酸イオン(SO₄²⁻)12.40.264.68
第二りん酸イオン(HPO₄²⁻)0.90.020.36
炭酸水素イオン(HCO₃⁻)208.73.4261.51
炭酸イオン (CO₃²⁻)39.61.3223.74
メタほう酸イオン(BO₂⁻)6.20.142.52
陰イオン 計280.65.56100

(ハ)遊離成分

非解離成分

成 分ミリグラム(mg)ミリモル(mmol)
メタけい酸(H₂SiO₃)54.20.69
非解離成分 計54.20.69
溶存物質(ガス性のものを除く)0.47 g/kg                    

溶存ガス成分

成 分ミリグラム(mg)ミリモル(mmol)
遊離二酸化炭素(CO₂)0.10
溶存ガズ成分 計0.10
成分総計0.47 g/kg   

(ニ)その他微量成分(mg/kg 定量下限値:0.001mg/kg )

成 分検出濃度成 分検出濃度
リチウム0.018マグネシウム0.043
マンガン0.0020.042
亜鉛0.007アルミニウム0.043
総ヒ素検出せず検出せず
検出せず総水銀検出せず

6.泉質

温泉法第二条の別表に規定するメタほう酸およびメタけい酸の項により温泉と判定する。ただし、療養泉には該当しないので泉質名は無い。


7.禁忌症、適応症等

温泉分析書別表(浴用)による。

効能

効 能     ・筋肉や関節の慢性的な痛みやこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスが溜まるなど)
・軽症高血圧
・糖尿病
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息又は肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状(睡眠障害など)
・病後回復期
・疲労回復
・健康促進

歴史

新美里温泉と榊原温泉

榊原温泉(榊原断層)と隣接した土地で湧出したため榊原温泉と同等の泉質の温泉です。

榊原温泉の歴史

榊原温泉は非常に古い歴史を誇るいで湯です。一帯は榊原断層と呼ばれる断層に当たり、その合間から被圧地下水(おそらく非火山性のプレート滲出型とされる)が湧出しており、古くから霊験あらたかな地として信仰の対象となっていました。また、前述のように三名泉に数えられており、平安時代には既に湯治場として形が整っていたとされています。このように、枕草子に記載されていたことは格好の宣伝文句であるため、開湯伝説は伝承されませんでした。

927年には式内社の射山神社が建てられ、「神湯」とも呼ばれるようになりました。このような背景から、江戸時代に入って伊勢参詣が盛んになると、七栗の湯は参拝客の垢離場として機能し、伊勢の参拝客は神社の参拝前にこの七栗の湯で斎戒沐浴するのがしきたりとなり、湯治場は大いに賑わいを見せました。このため、地元では榊原温泉のことを「宮の湯」と呼び、神聖な湯であるという自負を抱いていています。その頃、射山神社は温泉大明神と呼ばれ、大いにもてはやされました。
尚、七栗という地名は古くから存在した村落名であり、榊原温泉の由来となった榊原という地名は、継体天皇の頃に遡ります。継体天皇の娘、ササギヒメノミコト(荳角媛命)が斎王となり、斎宮に入ることになった際に、近くに自生していた榊を温泉水に一晩中浸し、神宮に祭祀したという伝承に因んでいます。

ななくりの湯の諸説

今日において、枕草子にある「ななくり」の湯は大方、榊原温泉を指すのが最有力であるが、それについては他に別所温泉説、あるいは少数派として湯ノ峰温泉説があります。『枕草子』の段だけではその一文しかないために明確に判別しかねるのですが、他に鎌倉時代の後期に出版された夫木和歌抄に載せられた二つの歌にある「一志の〜ななくりの湯」という事例があります。一志とは榊原温泉が位置する一志郡を指しており、この温泉が古くから「ななくりの湯」と呼ばれていたことを裏付けています。
また、同温泉は神宮と関わりが深く、特別な湯として尊重されました。また、他に選んだ玉造温泉、有馬温泉も、ともに天皇家と関わりが深く、神の湯としてもてはやされ、他の共通点として医薬の神、温泉の神として知られる少彦名命が発見したと伝えられる伝承があるなど共通の関連性が見られています(ただし、少彦名命の開湯と伝わる湯は全国に数多存在する)。
尚、現在においても伊勢神宮へ奉納しています。

安全性への取り組み

可燃性天然ガスの安全対策をクリアした安心の温泉
温泉をくみ上げる際に発生する可燃性天然ガスによる災害の防止を計る為に、平成20年10月1日に温泉法が改正され、温泉をくみ上げる全ての事業者は、新たに許可申請または、確認申請が必要となります。新美里温泉はその、可燃性天然ガスの安全対策をクリアし、三重県知事より温泉法第14条の5を受け、安全に温泉のくみ上げを行っております。